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千葉市美術館「鏑木清方と江戸の風情」(2014年9月9日~10月19日)

《春雪》鏑木清方

美人画の巨匠・鏑木清方(かぶらききよかた/1878-1972)は、戯作者・條野採菊の子として東京神田に生まれました。13歳で日本画家・水野年方へ入門し、やがて挿絵画家として独立。20歳頃から日本画の制作に取り組み、文展や帝展などの官展へ出品して、日本画壇における地位を確立しました。
清方が自身の制作と題材を模索する中で見出したひとつの理想郷は、江戸の浮世絵にあります。なかでも、鈴木春信や鳥居清長、勝川春章といった絵師たちの作品世界に共感し、独自の美人画を確立していきました。
本展では「鏑木清方と江戸の風情」と題して、幼い頃に親しんだ草双紙や、修業時代の制作、画業を貫流する江戸情緒など、いくつかの視点から、“清方と江戸”のつながりを探ります。

戦中から戦後にかけての東京では、江戸の風情だけでなく、明治の面影までもが失われました。それと反比例するかのように、清方の作品には、江戸情緒がより一層強く現れるようになります。右の作品は展示作品のひとつ、終戦後まもなく画かれた《春雪》です。
笄を挿した丸髷(勝山髷)を結い、五つ紋の着物を纏って、蜀江文の帯を文庫に結んだ姿などからは、格調高い武家の女性であることが分かります。膝を床に着いて、男物の羽織を丁寧に畳む姿からは、彼女の優しさも表現されているかのようです。裾模様の雪輪の中には、水仙や松葉、梅などが配され、春の訪れをイメージさせる、さりげない演出もあります。

 
清方自身が制作時の想いを記したものがありますのでご紹介しましょう。
「終戦の年に御殿場に疎開してからは、風景の写生を少しばかりしただけで制作からは遠ざかってゐたが、二十一年の春早々、日展第一回の開かれるとの報(しら)せを受けて急に里心が油然と沸き起こるままに取りかかった。…中略…暁の富士、黄昏の富士、深川鼠の染色に似たのが、僅かに女の小袖に残る。」(『鏑木清方画集』自作自解《春雪》より)
敗戦国となり、焼け野原となった東京で、真っ先に開催された美術展覧会へ押し寄せた人々が目にした《春雪》は、単なる美人画というだけではなく、寒い冬を耐え抜いて芽吹く草木のような、日本の新しい希望を感じるものだったかもしれません。

今回は、千葉市美術館の所蔵品より、関連する江戸期の作品もあわせて展示されますので、清方が江戸に見出した理想郷を理解する手助けとなり、作品鑑賞がより深まることと思います。また会期中には、講演会やギャラリートーク、江戸の風情を残した三味線や胡弓の演奏など、楽しいイベントが盛り沢山です。ぜひオススメしたい展覧会です!
 
◆招待券プレゼント◆
本展の招待券を先着で5組10名様にプレゼント致します。
応募期間:2014年8月18日(火)~9月5日(金)
ご応募の際は《お問い合わせフォーム》よりタイトルに【千葉市美術館招待券応募】と必ず明記の上、
・メールアドレス
・お名前
・ご住所
・お電話番号
をお送り下さいませ。
(個人情報保護方針に関しましてはこちらをご参照下さい)

 

「鏑木清方と江戸の風情」

<会期>2014年9月9日〜10月19日
日~木曜日 10:00~18:00
金・土曜日 10:00~20:00
※入場受付は閉館の30分前まで
<休館日>第1月曜日(10月6日)
<入館料>一般1000円(800円)
大学生700円(560円)
小・中学生、高校生無料
※()内は前売券、団体20名様以上、
および市内在住65歳以上の料金
※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
※前売券はミュージアムショップ(8月31日まで)、
ローソンチケット[Lコード:38206]、
セブンイレブン[セブンコード:032-568]
および、千葉都市モノレール「千葉みなと駅」「千葉駅」
「都賀駅」「千城台駅」の窓口(10月19日まで)にて販売
※10月18日(土)は「市民の日」につき、観覧無料
<会場>千葉市美術館(千葉県千葉市中央区中央3-10-8)
TEL: 043-221-2311
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2014/0909/0909.html

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